第1章

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「なんで、 自分のクラスの文化祭準備さぼって、 このクラスに来てるの、 助かるけどさ―」 なんて聞いたりするようになった。 「うち、 女子中心だからさ、 男、 居場所ないんだよ」 「だけど、 その女子たちに白い目で見られてない?」 「見られてるかも、 ま、 いいけど」 「ま。 いいね、 こっちは人手多い方がいいし」 「だろ」 そんなふうにとりとめない事をしゃべったりするようになった。  時々冗談言って、 時々一緒に帰ったり(それはイハも一緒だったけど)。 そしたら、 彼のクラスの光ちゃんに、 「じょうくん、 取らないでね」 と、 かわいく言われちゃった。 そうか、 彼はクラスではじょうくんって言われてるのか。 で、 私と一緒に歩っていたりするのを目撃して、 気にしているのか。 なんだ、 けっこうもてるんじゃん。 そうだよね、 目立たないけれど、 もて顔だよね。 うん。
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