第1章

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「お、 暇そうなの、 約1名見っけ。 中華街でも歩くか?美里」。 そんな風なイハの誘いは、 いつもの彼らしかった。 イハと私はクラスが一緒、 プラス、 おなじ写真部ということで、 結構親しかった。 それに、 3人そろわないと外出できないから、 人数合わせか?とも思いつつ 「うん、 いいよ、 行こう行こう」 なんて調子を合わせた。 西城くんも、 なにか言うかなと思ったけれど、 黙っていた。 自然に、 3人の会話になり、 時々イハがくだらない冗談を言ったりしていた。 大きな狸の置物を見て、 「あ、 なんだ、 美里、 どうしてこんなところに立ってんの?おい、 大丈夫か、 しっかりしろ」 「ちょっとー、 失礼ね、 なんで、 私なのよ」 と言うと、 西城くんまで 「そうだよ、 失礼だよ、 狸さんに」 なんて言うから、 もう、 爆笑。
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