はじまり

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「泉……なにやってんの」 「んー?なんかナンパされちゃったぁ」 俺の頭をポンポンしながら軽く言う泉にため息をつく。 柔らかなミルクティー色の髪。 優しくも色気がある少し垂れた目。 色素が薄いから肌は白くて髪も地毛で、瞳も髪と同じ色してる。ついでに睫毛も。 儚げな美形な泉のこと放っとく人はいないか…仕方ない… 「なに、あの子。馴れ馴れしくない?」 「猫耳とかダサいんだけど!」 「つりあってないっつーか」 おそらく俺に向けて言われる悪口に俺のココロはロッキンハー。 特に意味はない。 てか、猫耳? 俺つけてないけど。 不思議に思って、頭におかれてる泉の手をパシィッと叩き落として頭をさわさわと触る。 叩き落としたときに女の人たちから悲鳴と罵声があがったのはまぁ仕方ない。 「……ねぇ、これ、猫耳ついてる?」 指に触れたのはモフモフした三角みたいな形をした何か。 泉に聞いてみると。 「うん!すっごい可愛いよー藍たんんん!」 ぎゅうっと抱き締められた。 それにボディブローをかましてパーカーを脱いでフードのとこを見てみることにする。 猫耳とか聞いてないんだけど。 パーカーのチャックを下にさげ、前をあける。 したにタンクトップ着てるし寒くはないか。 頭からフードをとってパーカーを脱ぐ。 と。 「えっ?!男?!」 「女かと思った!!」 「てかめっちゃ可愛いんだけど!」 「え、まってヤバいヤバい生肌ヤバい」 さっきとは違う悲鳴があがった。
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