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『ぉんぎゃぁ!!ぉんぎゃぁ!!』
日付が変わったその時、
産婦人科で小さな命が産声とともにこの世界に降り立った。
母の腕に抱かれ、穏やかに眠るその顔に、
小さな微笑みを浮かべていた。
『――くん 私ね?この子の名前もう決めてあるの。』
『そうなのか――? 俺も考えていたのに・・・』
そこには、優しい微笑みを夫に向ける妻と、
ふてくされた顔を妻に向ける夫がいた。
『あのね? 私達の名前からとったのだけど この子の名前は――』
『へ~ ――かぁ お前にしてはいい名前を考えたじゃないか(笑)』
『もぉ~ "お前にしては"は余計よ~』
夫婦の些細な喧嘩の中も静かに眠る赤ん坊。
その光景は傍からみても、
とても仲睦ましく、幸せそうに見えていた。
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