第1夜

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彼らの走った先には確かに大きな湖があり森も開け、 月が空に輝いていた。 ようやく彼らは地に座り込み休息をとる。 が、服にこびり付いた血が乾いてしまったのか、 黒くなっていて、さらに鉄臭い。 3人はフラフラと立ち上がり服を脱ぎ、湖に近づく。 足を入れると少し冷たかったが彼らには どうってことない温度で、 血を洗い流すように泳ぎ始める。 匂いはどうにもならなかったが、体は綺麗になった。 とりあえず3人は満足し、今度は服を洗う。 だが、乾いてしまった血はなかなか落ちない。 それでも赤黒い色からはマシになったかと諦め、服を近くの木に引っ掛けて乾かす。 乾くまでの間、3人で集まって少しでも暖をとるように 背中合わせになって膝を抱える。 しばらくして3人の寝息が聞こえてくる頃には、 日は登り始めていた。
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