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カズ。お前の傍はとても心地がいい。
初めて会った気がしないのはずっと俺の傍にいたからか・・・?
・・・迎えに行く・・。お前が死ぬまでなど待ってやれぬ。
・・・見つけ出す。必ず。
ジルの言葉に、今度は和臣が目を見開きすぐに微笑みに変わる。
しばらくして、何かに意識を引っ張られる感覚に襲われる。
もう。目覚めの時間か。
ジルの言葉は耳に届かないまま、
何かが手に載せられ握らせた。
首筋に触れられる冷えた手の感触に首を縮める。
二人の意識はその場からすっと同時に消えた。
意識が浮上する。
眩しさに目を細めて起き上がる。
妙に現実味の帯びた夢だった。
ジルラグ・イシュラ・・・か。
カーテンを開けようとベッドの縁から足を降ろして静かに立ち上がる。
シャラ・・・カシャッ
何かが手から滑り落ちる感覚と音が静かな室内に響く。
何かと目線をたどるとシンプルな3連のブレスレット。
買った覚えのないものに首を傾げる。
しばらくしてまさか・・な・・・と思い至るのは、
夢の終わりに握らされた何か。
・・・シャラ・・・
なんとなく腕を通してみると、
違和感なく左腕に馴染んだ。
しばらくそれを見つめてから、今度こそカーテンを開けるために歩き出した。
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