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誰もが子供のころに思い描いた夢の続き。
いつまでも、夢が続けばいいと。
眠る度に何度も思った。
いつか、別の世界に行けたなら。
子供のころはいつもそんなことを思っていた。
そんなこと起こるはずもないのに。って。
夢みたいな話を絵本片手に・・・あれ?
そんな話・・・誰にしたのだろう?
幼稚園?違うもっと前。
今は亡き母の腕の中?これも違う。
もっと前。もっと。もっと。
・・・いつ?
あれは・・・誰?
・・・まぁいいか。
もう。夢の中でしかわからない親のぬくもりも。
覚めてしまえば、その名残が寂しくなるから。
・・・もう。夢は見ない。
あの夢は。唐突に終わったから。
・・・違う。あの最期の夢で、おれ自身が別れを告げた。
その時、消えていく親の影とは真逆の方。
まだ、遠く離れた場所から。
確かにおれの耳はその音を拾った。
君を見つけだす。
必ず会いに行く・・・。
きっと・・もう一度会える。
夢が終わる日に聞こえたあの声は。
まだ、記憶の中に・・・。
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