第1話

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 『・・・・』 神鬼は後ろに建つ塔を見上げ、思考を巡らせる。 塔の外観は初めに来た時とは変わらない。 だが、中は確実にバグが発生している。  「・・・バグの修復してみる?」 そんな神鬼に下から覗き込むようにしてそう問いかける。 こっちの方がスリルあって楽しそうだと 青い瞳を細め口元に笑みをたたえて。 やっぱりお前悪魔ピッタリだなと神鬼に言われながら、 バーチャルの外では 神羅の手元でキーボードを忙しなく叩く音が奏でられていた。  「・・・天才♪ハッキング成功だよ♪」  『・・・・・・もっかい行くぞ。』  「あいよ!」 いつの間にか二人のいる場所には人がいなくなり、 移動したかログアウトしたのかはわからないが、 それらを無視して2度目の試練の塔へと挑んだ。
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