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「アオ!! お前昨日サボってどこ行ってたんだよ!?」
俺、ロキに危うく魂売るとこだった!!
登校早々左目に眼帯をした青年相手に、下駄箱前で吠えているのは、百歩譲って親友という位置にいる幼馴染の“桜 貴一”
アオというのは後ろから伸し掛かってくる貴一の読み間違いであって俺は決してアオという名ではない。面倒だからと直さないままでいたら現在にまで至っている訳である。
俺の本名は南雲蒼。アオではなくソウだ。
俺をアオと呼ぶ奴は貴一以外いない。
ちなみにロキとは担任の露木白蓮。生粋の日本人だと本人は語る。そしてその悪魔のような性格から、生徒たちの間で、ツユキをロキと読み影で呼んでいる。
『・・・あー・・・森?』
しばらくの沈黙の後、俺の頭に顎を載せ、その位置に落ち着いた南雲から溜息が零れた。
「またか・・・お前この間湖に落ちたばっかりだろ・・・」
『昨日は季節外れの桜を見て、神社と川を見つけた。
けど、もう行かないから安心しろ。』
「・・・・」
話を聞け!と上からジト目で俺を見る視線を感じるが、見えていないので効果は無い。
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