0人が本棚に入れています
本棚に追加
「・・・なぁ・・・その眼帯そろそろ外す気ないのか?」
その質問に即答で無いと答える。
『この目を見て、綺麗だというのはお前くらいのバカだ。
それよりも重い。どけろ。』
失敬な!とようやく顎をどけた貴一の方へと振り向く。
『最後にあそこでいいものを見つけたんだ。』
少し寂しそうな目で見上げてくる蒼を見下ろしながら、1週間後に執り行われる南雲家の生贄の儀式に思考を変えた。
‐願わくば・・・アオが生きて帰ってくることを・・・・南雲家に祀られし龍神へと願いを乗せる‐
そのすぐ後に予鈴が鳴り教室へと二人一緒に戻っていった。
そして、あっという間に1週間は過ぎ・・・
黄龍大付属高校宛に南雲蒼の退学届けが提出された。
あまり周りと関わりを持たなかったせいか、
ほとんどのものが理由など気にはしなかったが、
貴一だけが彼の安否を心配していた。
最初のコメントを投稿しよう!