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『・・・昴にぃ。おおきに。
どもないやから。』
住職が話し始めてからずっと静だった鶯が静に口を開いた。
「スズメ!?
なにゆーたはりますの!?」
『いいんやこれで。』
「スズメ!!?」
「・・・きずつない。」
申し訳ないと住職が鶯に向けて深く頭を下げる。
『頭を上げておくれやす。住職はんは、なかて悪くへん。笑って送っておくれやす。
ほんで、帰ってきたら笑顔で迎えておくれやす。』
無事に帰ってこれる保障も、約束も出来ないけれど。
それでも、と。鶯はなんて事もないかのように、優しく笑った。
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