第1

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遥か西にある砂漠化の進む草原地帯。 かつてそこは多くの動物たちが走り回る大草原であった。 だが、今では大半が砂漠と化し、ほとんどの動物たちが、この草原を離れていった。 残っているのは、この草原に古くから住む動物たちと、小さな祠があるのみ。 その祠の扉には、破れかけの《封》と書かれた紙が貼られていた。  ザッ ザッ・・・ 人の気配のないその場所で何かを探すように辺りを見渡しながら一人の男は歩いていた。 『・・・あっつ~・・・・?』 そんな男の耳に遠くから獣の唸り声が届く。 “グルルルッ・・・・” 『・・・んだぁ?』 その唸り声の方に惹かれるように男は方向転換をして草原に足を踏み入れ中へと歩みを進める。しばらく歩くと子ウサギくらいの小さな鳥居とそれに囲まれて立つ、鳥居よりかは一回り大きめの小さな祠。そこには破れかけの《封》と書かれた紙が。 『・・あった・・・』 男は周りを見渡し、遠目から自分を見る動物たちを見渡す。 いつの間にか囲まれている。 先ほどの獣の唸り声は聞こえない。 男は祠の前に膝をつき、手を合わせて目を伏せる。 自然と風の音に紛れて聞こえる“声”が耳に入るが気にせず何かを口にする。 “この人間不思議なニオイする。” “ヌシ様を封じた人間とは違うニオイだ。” 『・・・俺の声が聞こえてんのか知らねぇが、先祖から白虎のお前に伝言を届けに来た。』
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