第0地区。

3/5
前へ
/27ページ
次へ
『・・・この臭いどうにかなんねぇかな・・・』 ―ンナモン シカタネェダロ ソノウチナレル ガマンシロー 日も落ち、周りの景色も闇へと染まり、 そこには一人の足音と一人分の話し声しかない。 『・・・とりあえず・・・お前名前あるのか?』 ―・・・オレハ オマエダ ナハナイー 足を止めず、ただひたすらに、 道なりを歩く青年は考え込む素振りをしながら歩く。 彼の進む先には下りの階段が・・・ ―ナ ナドドウデモイイガ ソノママイクト オチルゾ?― 青年はその言葉にふと立ち止まり足元を見る。 あと一歩踏み出していれば、 確実に階段を踏み外し階段下へと落ちていただろう。 青年はその声に答えを返さないまま、 階段下へと躊躇(チュウチョ)なく降りていく。 下へ下へとただひたすらに。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加