0人が本棚に入れています
本棚に追加
『・・・この臭いどうにかなんねぇかな・・・』
―ンナモン シカタネェダロ ソノウチナレル ガマンシロー
日も落ち、周りの景色も闇へと染まり、
そこには一人の足音と一人分の話し声しかない。
『・・・とりあえず・・・お前名前あるのか?』
―・・・オレハ オマエダ ナハナイー
足を止めず、ただひたすらに、
道なりを歩く青年は考え込む素振りをしながら歩く。
彼の進む先には下りの階段が・・・
―ナ ナドドウデモイイガ ソノママイクト オチルゾ?―
青年はその言葉にふと立ち止まり足元を見る。
あと一歩踏み出していれば、
確実に階段を踏み外し階段下へと落ちていただろう。
青年はその声に答えを返さないまま、
階段下へと躊躇(チュウチョ)なく降りていく。
下へ下へとただひたすらに。
最初のコメントを投稿しよう!