宝石少女と男子高校生

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火曜日の朝。窓から差し込む陽光の眩しさによって、夢世界から徐々に現実へと引き戻されていく。アラーム設定よりも少しだけ早い、午前6:50に夕凪 和樹(ゆうなぎ かずき)は目覚めた。 朝食はいつも決まって午前7:05に摂る和樹は、軽く目を閉じ窓側へ背を向けた。 「もう朝か」 誰に言うでもなく、朝一番での倦怠感の中、少し掠れた声が溢れた。 数分ほどの静寂の後に、アラームが部屋中に響きだす。時刻は午前6:55、金切り声のような不快音をすぐに静止させ、和樹は上体を起こした。 両手を上へ伸ばし、大きな欠伸をひとつ。そして、深く息をはいてからベッドから足を下ろして立ち上がる。そこからは、小学校に入学してから11年間、ほとんど毎日のように繰り返してきた登校支度のために、1階へと降りていく。 先に朝食を食べている父、その父の弁当準備に終われる母におはようと短く言葉を交わし、洗面所へ。 和樹は決まって、洗顔、食事、歯磨き、排泄、着替えの順で登校支度を行う。今日もいつもと同様に支度を済ませ、午前8時に家を出た。 起床から約1時間ほどでの登校。これもまた11年前から変わらない。 和樹は、高校入学時に新調した自転車に跨がり、ブレーキの効きに異常がないことを確かめてからペダルを踏んだ。
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