宝石少女と男子高校生

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これらの条件に関して、和樹は元々自室で面倒を見る予定であり、不純行為など考えてもいない。 和樹は二つの条件を呑み、青髪の少女はめでたく"夕凪 真凛"として家族に迎え入れられることとなった。 **** 現在、日付が変わ0時30分。和樹は、自身が使用していたベットを真凛に譲り、そこに並べるように敷いた布団の上で横たわっていた。 真凛は別々に寝ることに疑問を抱いていた様子だったが、『そんなことをしたら初日で追い出されるぞ』と心の中で毒を吐きつつ、適当な理由を並べてその場をやり過ごした。 真凜は随分と単純なのか素直であるのか、普通に考えれば嘘だと分かるようなことでもそのまま信じてしまう。そんな性分を利用する、と言うと言葉が悪いが、変に言い争いになるよりはマシであろう。 少し寂しそうに布団に入った真凜が寝息を立て始めたのが10分ほど前の話になる。 そして、和樹はいまだに寝付けないでいた。出会ったばかりの少女と、同じ部屋で寝ようとしているのだ、これで普通に寝れるはずがない。 仮に、このまま朝まで寝付けなかったとしても、和樹に大きな不安はなかった。明日は土曜日、休日であるからだ。 瞳を閉じながら、そんなことを考えていた和樹だったが、午前2時を回った頃から段々と意識が薄れていった。
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