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「はぁ、そんな仕組みになってるなんてな。真凜とのことが夢だったのかと一瞬不安になっちゃったよ」
「うぅ、すみません…」
突風を発生される力を持った男との一件もあり、夢であった方が良かったのかもしれない。
心の奥底で、そのように考えている自身もいたが、
申し訳なさそうに顔を俯かせる真凛の姿を見た時、和樹は正直なところホッとしていた。
彼女との出会いで彼の日常は少し奇妙な方向へと進んでいくことになるだろう。しかし、これもまた運命であると、受け入れる心積もりも出来ていたからだ。
『インドア平凡主義者』である和樹に、真凛の存在はどのようなスパイスとなるかは、今はまだ分からない。
しかし、彼女は彼に、平凡とは全く程遠い世界を見せてくれるだろうと───
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