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「……ああ、おい熱いなこれ」
「「「「「「「――!?」」」」」」」
「っ……?!」
後部座席のドアが物凄い音を立てて開けば、その場の空気が圧迫されて息苦しさに喉が詰まる。
「こぼれちまって熱いなこれ」
……こいつ、相当やべえ。
「うるせーし熱いしうるせーなァア"?」
「「「「「「「「!!」」」」」」」」
ふらりと両の脚の影が逆光で眩んだ視界の中、地面を踏みしめれば、尋常じゃねえ殺気が抑揚の無い良く通る声に乗り禍々しく響く。
「誰のせいだ……?なあ、華?」
「――?!っ、あ、兄……貴っ」
能天気な雰囲気だった派手髪野郎が瞬く間に凍りつく。
「あのっ?加藤さんっ、落ち着いっ――ぐ、は……っ」
「「「「「「「――!!」」」」」」」
引きつった笑顔で間に入った山口を一撃で蹴り倒した男は。
「おまえが運転してたよな……?華?」
「あ……あはははっ、兄貴……ごめん」
コンビニおでんの容器片手に、派手髪野郎の長髪を掠めると、野郎の顔のすぐ横にあるコンクリート壁を力一杯殴りつけた。
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