存在を消したい女。それは看護師

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やれやれと思いながらノソノソとお仕事再開。お仕事は嫌いじゃないから始めてしまえば黙々とこなせる出来る女、波間北です。 シーツを纏めれば私の大好きな【夏でも生息、雪だるま。】の出来上がり。10枚のシーツを1枚で包み込み小さくまとめた物。本来ならば綺麗とは絶対に見えない物なのに何が何が………可愛いいのだ。 『さあ…ユキちゃん。コロコロしようか?』 「波間ちゃん、また師長に怒られるよ。あとね、ソレは【ユキちゃん】じゃなくて【シーツ】だから。」 一緒にシーツを纏めてた主任が言葉の訂正を求めてきたけど 『ユキちゃん。レッツゴー!』 そう言ってユキ……違った、シーツの玉を蹴飛ばした。 ボンッ ボサッ。 『頑張れ、ユキちゃん!出口はもうすぐだあ!』 「やめなさい!波間ちゃん!」 思いっきり蹴飛ばしながら廊下を通行中の私と追い掛ける主任。まるで小学校の運動場みたい。 ボンッ トサッ ??? おや?白いユキちゃんが白い何かにぶつかってしまった。患者じゃないことを祈りながら顔を上げると 「先生?!すいませんっ!」 にこやかなお顔でこちらをみてくる新任センセイ。どこぞのなんとかさんだ。 「楽しそうですね。サッカーですか?」 センセイが笑顔で訊いてくる。それに対して慌てている主任の姿が面白い。 『あっ!ナースコールだ。ちょっと失礼します。』 ちょっとどころか高速で失礼した。 .
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