存在を消したい女。それは看護師

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血の海のお片付けが終わり後輩と詰所に帰ってみたら ヤツがいた。 それはそれは楽しそうにナースさん達と語り合っていらっしゃいます。まるでハーレムです。 「波間北さん、どうしたの?何かあったの?」と訊いてくる師長さんが近所のお節介なおばさんに見えて仕方ありません。ごめんなさい。 『カクカクシカジカです。』 「まあ!凄い!………で?そんな言葉で済ませようたってそうはいきませんからね?」 なかなかノリの良い師長。大好きです。尊敬してます。 キチンと報告すれば師長は怒らず聞いてくれた。良かったね、後輩。 「ええっ!先生ってスノボも行かれるんですか?凄いですね。」 「大したこと無いよ。君達も行ってるでしょ?前はスキーだけだったけどスノボも良いよね。」 若いナースさんがセンセイの言葉に興奮している。そんな状態をコッソリ休憩室から覗いていた。 『凄いってのはスノボでオリンピック出場するぐらいの才能と努力がある人のことを言うんだ。ソイツはただの趣味に走ったオヤジなのだ。騙されるんじゃない!』 小声で呟いていると後ろから師長の声がした。 「波間北さんはするの?スノボ。」 『積雪は私にとって天敵です。雪焼けはお断りですっ!』 「………………しないのね。」 .
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