存在を消したい女。それは看護師

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「桃園先生、そんな我が儘は言わないでください。そんな事をしたら明日から毎日病棟昼食会が開かれて先生の自由なお時間が無くなりますから。さあ…」 師長があんなに優しく促しているのに椅子から立とうともしない。 「いいじゃないですか。おじさん達に囲まれるより綺麗な看護師さんに囲まれたいんですけど?」 「…先生…」 負けるな!師長っ!!ガッカリしないでおくれ。あんな優しい師長を困らせるセンセイは私が退治してくれるわっ!そう思いポケットから病院用携帯を取り出す。そしてある所にお電話させて頂く。ちなみに師長はまだ新任センセイに粘っていてセンセイは何処吹く風の様に休憩室の電子レンジを覗いている。 ♪~♪~♪~…ピッ。 「はい。院長室、坂崎です。」電話に出たのは院長の坂崎先生。物腰柔らかいダンディーなお方。 『あっ!先生、すいません。波間北ですけど桃園センセイのお食事は此方に届けないといけませんか?』 「…お前…何言ってんだ?」 『だって…桃園センセイが医局の方との昼食がめんどくさいって此処でボヤいてんですよ。昼の手術の準備をしていますがセンセイがパソコンを使ってまして…かなり困っているんです。イエ…私達は構わないんですけどね…手術室の師長が…』 全然脈絡のない言葉をつなぎ合わせる。そうすることで… 「波間北、いい加減日本語をもう一度習ってこい。あと、桃園先生を院長室(ここ)に連れて来い。」 プッ…ツー…ツー… 私の後ろでは今だに師長が説得をしてセンセイが「はい…はい…。」とノンビリと答えている。見てろよ、ダレゾノめ… 『センセイ、院長がお呼びです。すぐに来て下さいって。』 「ええっ?何だろうな…。」 ゆっくりと立ち上がったセンセイは首を傾げながら詰所を出て行った。 ふはーーーーーーーーーー! これでご飯が食べられる。師長さん!私を褒めてちょうだいなっ! 振り向けばアイツ…じゃなかった師長がいた。もう超笑顔。 「最近で1番の働きよ。波間北さん。」 『アザーーーーーーースっ!!』 .
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