存在を消したい女。それは看護師

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大事な事なのでお教えいたそう!えっへん!院長は基本いい人で病棟からの電話には何の躊躇いも無く出て、キチンと指示を出してくれるお人好し。まあ担当の患者が病棟にいるのが基本だけどね。 今時こんないい医者は居ないだろうね…なんて。 さてさて変な回想は隣に置いといて、待ちに待ったごはんですよ。お弁当…お弁当…。 いそいそと鞄からお弁当を出して温めていると手の空いたナースさん達が昼食に入ってきた。 「あれ?桃園先生は?」 『さっき御用があるって事で院長室にイカレました。』 私の言葉に少し残念がる人達がいます。ゴメンね。 「気のせいかな?波間北さん…桃園先生が苦手?」 主任が私のお弁当の味を変えようとしています。危険です! 『違います!苦手というよりも嫌いなんです。』 人は正直に生きる~♪なんて歌があったなあ…。うん、あったあった。 ですが、目の前では明らかに私を変わり者といった感じで眺める方々がいらっしゃいます。何がいけなかったのでしょうか?正直者は嫌われるのでしょうか? 「波間北さんの好みって…読めないなあ~」 「本当。桃園先生って結構良い先生よ。決断力があって優しさがあって、何よりかっこいいじゃない?」 人の好みなんて様々に決まっている。貴方にとって格好良くてもアタシにゃあど~~でもいい話なのさっ!ケッ! .
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