存在を消したい女。それは看護師

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師長に脳波の検査がここで出来るのかと詰め寄っていると、聞きたくない声が後ろからした。 「あっ、師長。ここってさ…コーヒーあるかな?」 キターーーーーーーッ!! 入ってくんなよ!白衣を着たキワモノが!師長に近づくんじゃないよっ!それなのに… 「どうされました?先生。コーヒーは医局にありますよね?なんでこちらに?」私の事なんか知らん振りで先生の元に近寄って行く。師長さん…私…さみしいですう……なんて、嘘っス。 「今日は小銭入れを忘れてきてさ。医局にはインスタントしか無くて…もしかしたら詰所にあるかなって思って。」 ほー。センセイ様は札入れしか持ってないんですか?ふーん。医局にはコーヒーはあるがドリップじゃあ無いのね?……………っていうか詰所にあるか…って思うか!普通。どんだけ看護師が金を持ってんだよ!センセイ様はそれ以上持ってんだろ! 「…う~ん…ありましたかね…以前頂き物があったんですけど…」 師長…まるでどっかのお母さん。もしかして着ているのは白衣じゃなくて割烹着?幻覚が見えているのか? それに比べてセンセイ様よ。大きな身体で小さな休憩室を歩き回らないで頂きたい。ハッキリ言って邪魔です。出て行って欲しいと切実に思います。 「…無いですね…」 「そうですか、仕方ないですね。」 驚いたのはそう返事をしたセンセイ様がストンっと椅子に腰掛けた事だ。 な~~~ん~~~で~~~す~~~か?アナタ? .
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