余計なものには目もくれない男。それは医者。

4/9
前へ
/37ページ
次へ
『出て行った…ヤツの手から地球を救えた…。』 やや重症化している私こと波間北です。まさかのコーヒーを持っていかれ何故か居座るあの侵略者に精も根も尽き果てる…そんな感じです。そんな私の肩を優しく叩いてくれているのは主任です。 「波間ちゃん…凄い疲れ様だね。いつもこんなに疲れ果てていることなんてなかったのに…」 「本当に。桃園先生って案外図々しいタイプかもしれませんね。」 溜め息まじりに答える師長。案外って言えないですよ。まさしく図々しいって言葉はヤツの為の言葉です。 ヨロヨロと立ち上がって午後の仕事の準備を始めようとした時、突然院長がやってきた。 「師長っ!今から入院出来るか?」 ちょっぴりワンマンなうちの院長は突然入院を入れてくる。おかげで……詰所の空気が半端なく重くなる。 『………私がとります………今日は残業だあ…』 パンッ!! 腹を括って両手で思いっきり柏手を打つ。これが私の気合の入れ方。 「波間北さんっ!煩い!その気合だけはやめてちょうだい!」 .
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

56人が本棚に入れています
本棚に追加