自己防衛を貫く女。それは看護師。

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しっかし……おかしな事になってんなあ… 『なんなんだろう?』 ええ、ええ。患者さんは大事にならなかったよ。良かった良かった。じゃなくてだね…なんでヤツが目の前でニコニコしているのでしょうか?当院きっての七不思議としてどこかに申請しましょうよ皆さん。 「波間北さん、寝てたでしょ?さっき病室に来た時に頬っぺたに跡がついてたよ。」 センターテーブル越しにカルテを書きながらニヤつくコイツは曲者だ。親分!しかもペンで自分の頬を指すというジェスチャーまでしおったわい。 『休憩中でしたからね。』 あ~あ~。師長さん早く戻ってこないかなあ~。師長は家族さんの所に行っちゃうし他の美人さん達は仕事に戻っちゃった。オイラ淋しい。 そんなオイラはもうすぐ検査結果が出るため電話番。淋しい。仕方ないから注射のチェックでもしようかな。 淋しすぎて歩行状態がトボトボです。狭い詰所の中ですが。 「ため息なんかつくとシアワセが逃げるって言うね。」 はあ?誰か喋りました?返事が必要ですか?ワタシコノヒトキライデス。ダンセイノコトバシャダンシテマス。という訳で無視です。無視。 「あれ?今はシアワセじゃないみたいだね?」 もう嫌だ!帰りたい!師長さん、早くダッシュで帰って来て!波間北泣いちゃうよ?大声で。 『………あの…』 「はあ~疲れた。ああ波間ちゃん、結果の電話あった?」 返事に困っていた時、主任が疲れた顔で帰ってきた。天使!マジ神! 何も言わずただ主任の手を両手で握り何度も頷くワタシから離れようとする主任をワタシは絶対逃がさない。 .
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