爽やかな男。それは医者。

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『…フフフ~ン~♪…チュルル~♪』 ノンビリと鼻歌を歌っていると一緒に仕事をしている後輩が声をかけてきた。 「波間北さん…ご機嫌ですね。楽しいんですか?」 『うん?この仕事は結構好きなのだよ。君は嫌いかい?』 私の問いにウ~ンと首を捻った後 ゲンナリとした顔でこちらを見てきた。 「どちらかと言えば好きじゃないです。重たいし、大変な重労働ですし…」 ちなみに今の私達は患者さんのお風呂対応中。 『まだまだ若い証拠だね。お風呂こそ見つける事がいっぱいあって楽しいもんだよ……おっと、ちょっと石鹸が付いてる。』 「波間北さんって 本当に楽しそうにお仕事しますね。」 そうは言っても看護師になって既に10年は経っている。楽しくお仕事……と最早言えなくなってきた今日この頃。若手の育成や苦情処理能力向上と新人の頃には無かった世界に存在している。 それならばいっそのことその道を極めてやろう!と決心した… …………昨日。 きっと私は世間一般の中ではちょっとスローペースなんだろうな。 .
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