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昼食タイムに合わせて詰所に帰ると何故か見たことのない医者がいた。短く刈り上げた黒髪は彼の若さを象徴させ、やや細面の顔は色黒で医者らしくないほど。くっきりとした二重瞼からは目力のある黒い瞳が覗き細い黒縁の眼鏡が真面目さをアピールしている様だった。極めつけに笑った時に薄い口元から覗かせる白い歯。
全くもって
苦手なタイプだ。
ろくに挨拶もせずにカルテ棚のそばに居るソイツを避けながら奥にある注射台に移動し点滴を探すフリをしながら皆の様子をうかがった。
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