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一族を因縁に縛り付けるきび団子。
これを求めて幾重の争いを繰り返し、何人もが戦地に就き、命を落とした者もいる。
母親はこのきび団子で自らの命を守る為に鬼ヶ島に向かい、きび団子を食べる前に命を落としてしまった。
なんて愚かで、意味のない事を繰り返しているのか。
そこまで考えた途端、無性に腹が立った雉は感情のままにきび団子を投げつける。
「こんなもののせいで!!……」
半分開いた木格子の扉にぶつかったそれは、行き場を無くして祠の中に落ちた。
雉は静かに涙を零しながら、その場に項垂れた。
その瞬間、きび団子が強い光を発し辺りを明るく包み込む。
「!?」
突然の出来事に雉は驚き、あまりの眩しさに目を細める。
何が起こったのか解らぬまま、柔らかな灯かりに包まれた雉は不思議な光景が脳裏に浮かんだ。
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