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野を超えどこまでも続く道を、彼女は歩く。
やがて、大きな大きな岩が見えてきた。
その岩陰に座り込んで、暫し時を待った。
来たるべき、その時を。
彼女は雉一族のたった一人の末裔だった。
雉一族は代々、年の頃が十七になると桃太郎と言う人間に会いに行かなければならない。
鬼ヶ島に鬼退治をするお供を果たすためと言う名目だが、実際は桃太郎が持つきび団子をもらう事が目的だった。
十八の年を迎えるまでにこのきび団子を食べないと、死んでしまう因縁をもった一族だからだ。
遥か昔生き物が一括りの集落で暮らしていた頃、鬼や動物たちは神獣と呼ばれていた。
神獣の中で最も権力をもった鬼一族が課せた使命らしい。
それは雉一族だけでなく、犬、猿の一族も同様だった。
その出来事から、彼女はもう何代目かもわからない子孫だ。
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