プロローグ 歪み 果てるまで

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○ 「どう思います?」 「あァ? 何がだ」 「通報ですよ。  おやっさんだって薄々勘付いてるんでしょう? ここ暫く、同じようなパターンで通報、突入、梨の礫。これで三回目ですよ? 本部の物笑いの種になったらどうするんですか」  ハンドルを握る部下、佐木下(さこした)の呆れの混じった声音については一切の否定が出来ない。  ここ数日、相次いで廃屋や路地での轟音を伴う損壊や、奇妙な死体についての通報が届けられているものの、それらに関して明確な説明が出来ない状況が続いていた。  県下有数の都市圏であるこの亜風里市(あふり・し)で、連続殺人かそれに準じる被害など続発してしまったら、遠からず繁華街が廃れることも想定しなければならなくなる。それは、治安の面からも勘弁願いたいことだった。
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