第3話 もう一度……恋

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美輝さんとは間違いなく恋人同士になれる。勇は嬉しくてたまらない。 「夢咲さん、有難うございます。何とお礼を言って良いか分かりません」 勇は頭を下げてお礼を言った……が、頭を上げると既に夢咲親子の姿は無かった。 しかし、勇はさほど驚くことは無かった。これまでにも何度も目の前から消えていたからだ。 自宅へ戻る途中、多くの女性達がすれ違い様に 「格好いい~」 「素敵!」 「ハンサムだわ…」 と、ため息混じりにそんな言葉を洩らしていく。 勇は昔を思い出していた。夫婦で歩いていると、通りすがりの女性達が頬を染めながら振り返って俺を見るので、 「やれやれ、素敵過ぎる夫を持つと女房は疲れるわ」……と言って笑った。 富美子は本当に良く出来た素晴らしい女房だった。富美子が亡くなった時、俺は絶対にお前以外の女を好きにならないと心に誓った。 なのに10年後の今、俺は富美子以外の女性を好きになってしまった。美輝のことを思うと胸が熱くなる。この思いはつのるばかりでどうすることも出来ない。 富美子…… お前以外の女性を愛してしまった。本当に……ごめん。
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