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散歩から帰り朝食をしながら勇はふと考えた。
そうだ。もっとたくさん服を買わないといけないな。着たきり雀じゃしょうがないもんな。原宿の他に銀座なんかにも行ってみるか。
勇が玄関を出て門扉を開けていると、隣の山田さんの奥さんが出て来て、
「あら、またお出掛けですか?」
と話しかけてきた。
「ええ、原宿に買い物に行こうかな、と思いまして…」
「そうですか。行ってらっしゃい」
山田さんの奥さんはにっこり笑って見送ってくれた。
駅に向かう間も多くの女性が俺を見て頬を染めてみている。若返りの薬を飲む前はそんなことはなかった。
美輝さんも俺を見てはにかんだ表情を見せるのかな? 夢咲さんは恋人になれると言っていた。夢を叶えてくれると言っていた。勇は夢を思い出してほくそ笑んだ。
新宿方面に向かう上りの電車は混んでいた。吊革に掴まりふと横を見ると……。
エエッ( ; ゜Д゜)嘘だろ!!!!
俺の隣に葵さんがいたのだ。
勇は焦った。焦りまくった。
葵のご主人は俺と瓜二つ。……と言うことは、若い時のご主人とも瓜二つの筈だ。
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