第3話 もう一度……恋

171/425
131人が本棚に入れています
本棚に追加
/761ページ
散歩から帰り朝食をしながら勇はふと考えた。 そうだ。もっとたくさん服を買わないといけないな。着たきり雀じゃしょうがないもんな。原宿の他に銀座なんかにも行ってみるか。 勇が玄関を出て門扉を開けていると、隣の山田さんの奥さんが出て来て、 「あら、またお出掛けですか?」 と話しかけてきた。 「ええ、原宿に買い物に行こうかな、と思いまして…」 「そうですか。行ってらっしゃい」 山田さんの奥さんはにっこり笑って見送ってくれた。 駅に向かう間も多くの女性が俺を見て頬を染めてみている。若返りの薬を飲む前はそんなことはなかった。 美輝さんも俺を見てはにかんだ表情を見せるのかな? 夢咲さんは恋人になれると言っていた。夢を叶えてくれると言っていた。勇は夢を思い出してほくそ笑んだ。 新宿方面に向かう上りの電車は混んでいた。吊革に掴まりふと横を見ると……。 エエッ( ; ゜Д゜)嘘だろ!!!! 俺の隣に葵さんがいたのだ。 勇は焦った。焦りまくった。 葵のご主人は俺と瓜二つ。……と言うことは、若い時のご主人とも瓜二つの筈だ。
/761ページ

最初のコメントを投稿しよう!