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あたしの肩を押し付けながら、
拓海さんは深く息をついた。
……文句を言いながら、
穏やかに掠れた拓海さんの
熱い声が嬉しくて、
じんわり涙が出てくる。
この人は、本当にずるい。
その良すぎる声の中に、
彼の心が全部入ってるから。
もちろん、一番素敵なのは歌声だけど。
他の人にも、
こんなことしてるのは知ってるんだけど。
昔から拓海さんを大好きで、
彼しか見てこなかったあたしには判る。
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