第四話 愛の奴隷

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 僕と健一は唯一まともな男性陣として、半開きのドアの先へと進んだ。ドアの先はバーになっていた。ビリヤード台にカウンターがあって、ダーツの的には矢が何本か刺さったままになっていた。 「金持ちは良いよな~」  健一はビリヤード台の玉を指で弾いた。先程の雨がっぱはこの中に隠れているのだろうか。 「ねえ、みんなの元に戻った方が良い気がするんだけど」 「ああ、ここには何もないだろうしな」  僕達はバーを出て、皆の待っている大広間に戻ろうとした。しかし、突然、僕は後頭部を鈍器のような物で殴られた。 「がは・・・・」  僕はその場に崩れ落ちると、健一の手に花瓶が握られていることに気付いた。彼は口元をヘの字に曲げて笑っている。 「な・・・・ぜ・・・・?」 「ヒカリは俺のもんだ。お前には渡さないぜ」  健一は倒れている僕の鳩尾を足で思い切り蹴った。 「ごふ・・・・」  僕はゴロリと強引に転がされた。このままでは殺される。僕はフラフラと立ち上がると、そのまま健一に掴み掛った。 「うおおおお」 「この、俺に勝てると思っているのか」  健一のストレートが僕の顔に炸裂し、僕はビリヤード台に倒れ込んだ。健一は僕の首を両手で絞めると、そのまま力を加えて、僕を窒息死させようとして来た。 「うう・・・・」 「死ね、死ね、死ね」  意識が薄れていく。殺されてしまう。僕はもう終わりなのか。こんな奴に殺されて、それで全部終わり。そんなの酷過ぎる。
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