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二人でオーダーをした後、沈黙に耐え切れず中原くんが口を開く。
「何か、いい店だな」
「うん、私も楓に紹介してもらって、今日で三回目なんだけど。気に入ってるんだ」
そんな私の言葉に、マスターは軽く会釈で応じてくれた。そこで、中原くんを紹介する。
マスターは、挨拶をしつつドリンクを出してくれ。気を利かせてくれたのか、岡田さんに声をかけている。
お陰で、二人で話しやすくなった。
いきなり岡田さんに割り込まれたら、話どころじゃなくなってただろうし。
「それで、私に話しって何?」
「楓から、最近彼氏と別れたって聞いたんだけど」
「楓ったら、中原くんにそんな事まで話したの」
「俺が一年前の失恋を、引きずっている話しの流れで教えてくれたんだ」
「まぁ、私の方も楓から、中原くんの話しは聞いていたんだけどね。そう言えば楓は、私たちの失恋の状況が、どっか似てるとも言ってたし」
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