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「えっ、そうなのか?」
「うん。私も、話しを聞いて似てるとは思ったよ」
私はそう言って、自分の失恋の状況を中原くんに話した。
彼は、私が二股をかけられていた話しに、特に表情を険しくしていた。
話しながらも、それが気になった。
一通りの話しをし、一矢への気持ちが残っていない事を伝え話しを締めくくった。
中原くんは、黙ったまま考え込んでいる。
お陰で、マスターと岡田さんの会話が、どうしても耳に入ってきて気になった。岡田さんがその昔、陸軍将校だった頃に何とかって言っている。
陸軍将校って……
そのタイミングで、中原くんが口を開いた。
「確かに、似ているのかもな。俺も、あいつに裏切られた訳だし」
彼の話しは、ある程度は聞いている。中原くんにも、それは伝えたんだけど、元カノとの馴れ初めから順を追って話し出された。
まるで、別の話しでもするように。
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