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「俺の目から見ても、引きずってるようには見えないけど。この前の合コンと、今日の飲み会で様子が違って見えたし」
「そこまで、違ってるかな」
私としては、二日ともテンションは低いつもりだったけど。
中原くんの目には前よりマシに見えたから、そんな風に言ったのだろう。まぁ、もう一矢の事は頭に浮かばなくなりつつあるから、吹っ切れたと言えば吹っ切れたのかもしれないけど。
そこで、中原くんが詰め寄ってくる。
「教えてくれないかな。どうやって、その失恋を吹っ切ったのか」
「もしかして、それが目的で今日の飲み会に来たり。屯田林くんが、楓と消えるのを受け入れたの?」
「いや、そうでも無いんだけど……」
中原くんは、そう言いながら照れ臭そうに頷いた。
そっか、私の変化は来なきゃ分からなかったんだ。
ただ、私を送ると言ってきたのは、そうした目的があったからなんだ。
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