19人が本棚に入れています
本棚に追加
すると化粧室前に、屯田林くんが凄い顔をして待ち構えていた。
「えっ、屯田林くん、どうしたの?」
「あのさ、若葉ちゃん。楓ちゃんと、二人で消えたいんだけど協力してくれないかな」
「まさか、酔った勢いで楓の事?」
「そんなんじゃ無いって。俺は真剣に、楓ちゃんと付き合いたいから、今日の飲み会を頼んだんだ」
「本当に?」
「俺、こんな外見だし、女の子と遊びで付き合った事は無いから。それに、酔った勢いでとかも無いし」
「それ、今夜を初にしようとか」
「若葉ちゃん、それはさ」
「あっ、成り行き次第でとか考えてるんだ」
「いや、それは、俺にその気が無くても、ほら……」
私たちだって子供じゃないんだから、実際問題としてそうした事があるのは分かってる。
出会って、その日の内になんて珍しい話じゃ無いし。
ただ今の会話で、屯田林くんはそうじゃ無いと思えてきた。
最初のコメントを投稿しよう!