First Time 続き

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  「でも、それはマズいんじゃないか」 「だったら、次に飲み会があった時用に、そのお金をプールしておけば」 「さすが、経済学部」 「止めてよ、そんなの普通の事じゃない」  経済学部の人間は、お金に細かいとかってイメージがある。  いつかの楓の言っていた、「理系女子はモテ無い」ってのと一緒で、何の根拠の無いイメージの話し。  そんな「あるあるネタ」を話しながら、駅前に一旦出てシェアハウスの方へ。  夜道は確かに暗くて、駅前から歩くとまあまあの距離がある。  改めて考えると、確かにちょっと怖いかも。  それでも、一人で帰るのに問題は無い。ただ、こうして男子と二人だと安心感が違ってた。  そんな安心感の中に、素直に気持ちを委ねられないのは、どこかに気まずさがあるからかも。  だって、会話が途切れたから。  駅から五分くらい歩いた時、急に中原くんが足を止め口を開いた。
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