第3章

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少しずつ少しずつ主人が出来なくなっていくことが増えていきました。 昨日まで出来ていたのに それが当たり前に思っていた私や息子達。 主人を責める日もありました。 悔しかっただろう… 不安だっただろう… 私や息子の不満の言葉に、傷ついた心を抱えて それでも黙って私と子供達の感情を受け止めた。 笑顔で受け止め続けた主人。 仕事で家計を支えることも、威厳を持って子供達を叱ることもできない不甲斐なさ。 悔しさも、悲しみもひたすら隠して ただ、家族のために出来ることを不器用なりにこなしながら生きてきた主人。 私の前では涙を見せませんでした。 でも陰で泣いていたことを知っています。 ずっと ずっと ずっと 泣きながら生きてきたんです。
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