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夕餉の支度も整い、全員が広間に集まってからは食事そっちのけでお祭り騒ぎだった。
日中、かくし芸を披露した者が得意の芸で皆を驚かせただけではなく普段、そんな機会がない為か、ここぞとばかりに我も我もと前に立つと様々な芸が飛び出す。
「おいおい、よくもまぁ揃いも揃って芸達者な奴ばかりだな。剣客集団を辞めて大道芸でもするか」
呆れたようにそれらを見る土方の顔も心なしか楽しそうだ。
皆が席を立ち、芸を披露する中でもやはり目立っていたのは沖田だった。
誰かが何か披露する度に嬉しそうに横に立つと、同じ芸を披露している。
それも、彼の方が技の難易度が高いのだ。
顎の上に棒を乗せ、その上に板や茶碗を乗せて五段茶碗をすれば、沖田は五段茶碗をしながらお手玉をしてみせるし、けん玉を披露すれば同じ技を両手に持った二つのけん玉でやってのける。
「結局お前がやりたかっただけじゃねぇか」
そんな土方の言葉に沖田は満面の笑みで答えた。
おわり
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