巻き込まれたぁ…!!

22/22
446人が本棚に入れています
本棚に追加
/144ページ
「あなた…!!」 奥さんの声でそちらを振り向くと、駆けて行く奥さんの先で、村長が嬉し泣きしながら両手を広げて待っている。 これはあれだな、胸に飛び込む感動の場面だ。 ほら、感動の再会……… 「あぁ! そうでした! ヒナタさんに村に着いたら、すぐにこのガラス玉を使えって言われてたんでした!」 そう言うと、村長をスルーして広場の方へ駆けていく奥さん。その後ろ姿を見送る村の人達。そして両手を広げたまま固まっている村長。 (どうしたらいいんだこの状況…orz) 今度こそ頭を抱えてしまったルークを急かすようにリリアが引っ張る。 「ヒナタおねえちゃんが面白い事が起きるって言ってたの。だから早く広場に行こ?」 「………あぁ…」 固まった村長はリリアに任せ、皆と一緒に広場を目指す。 紫焔の闇といい、ヒナタのことだ。きっととんでもない代物なんだろうな。 (あぁ、また胃が…) ~ ルークside end ~ ☆おまけ ☆ ~ 村への帰路にて女子会? ~ 「そう言えば奥さんと村長さんって、タイプ全然違うじゃないですか。どうやって知り合ったんですか?」 「あの人と幼馴染みなんです。ふふっ、昔っからあの人心配症で」 「あ~なんか分かります」 「でしょ? 私、お転婆だったからよく怪我をしてたんです。その度に大袈裟に痛がると、あの人子犬みたいに涙目でプルプル震えて…それが可愛くて可愛くて、子供ながらにこの人と結婚しようと思ったんです!」 「へ、へぇ~…」 「そうなんだよ! パパね、私が怪我したときも涙目でプルプルして慌てて、すっごくかわいいの!」 「「ねぇ~☆」」 「ハ、ハハハ…」 なんでだろ、村長さんに同情するわ。 ~ 子犬父、狼母娘の餌食に 完 ~
/144ページ

最初のコメントを投稿しよう!