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「あなた…!!」
奥さんの声でそちらを振り向くと、駆けて行く奥さんの先で、村長が嬉し泣きしながら両手を広げて待っている。
これはあれだな、胸に飛び込む感動の場面だ。
ほら、感動の再会………
「あぁ! そうでした! ヒナタさんに村に着いたら、すぐにこのガラス玉を使えって言われてたんでした!」
そう言うと、村長をスルーして広場の方へ駆けていく奥さん。その後ろ姿を見送る村の人達。そして両手を広げたまま固まっている村長。
(どうしたらいいんだこの状況…orz)
今度こそ頭を抱えてしまったルークを急かすようにリリアが引っ張る。
「ヒナタおねえちゃんが面白い事が起きるって言ってたの。だから早く広場に行こ?」
「………あぁ…」
固まった村長はリリアに任せ、皆と一緒に広場を目指す。
紫焔の闇といい、ヒナタのことだ。きっととんでもない代物なんだろうな。
(あぁ、また胃が…)
~ ルークside end ~
☆おまけ ☆
~ 村への帰路にて女子会? ~
「そう言えば奥さんと村長さんって、タイプ全然違うじゃないですか。どうやって知り合ったんですか?」
「あの人と幼馴染みなんです。ふふっ、昔っからあの人心配症で」
「あ~なんか分かります」
「でしょ? 私、お転婆だったからよく怪我をしてたんです。その度に大袈裟に痛がると、あの人子犬みたいに涙目でプルプル震えて…それが可愛くて可愛くて、子供ながらにこの人と結婚しようと思ったんです!」
「へ、へぇ~…」
「そうなんだよ! パパね、私が怪我したときも涙目でプルプルして慌てて、すっごくかわいいの!」
「「ねぇ~☆」」
「ハ、ハハハ…」
なんでだろ、村長さんに同情するわ。
~ 子犬父、狼母娘の餌食に 完 ~
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