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だから、今日もいつもの習慣で、真夜中の公園のベンチで眠りこけてる人を起こしに行った。
ベンチの1メートル程手前で、俺は一瞬、怯(ひる)んだ。
ベンチに横たわる人間が放つ異様な雰囲気。しかも、それは、まるでマネキンのように見えた。
恐る恐る近付いて、俺は再び驚いてしまう。
漆黒の髪に対比するような真っ白な肌。あまりに端整な造りの顔。均整のとれた細身の、だが男らしい躯(からだ)。長い手足は窮屈そうにベンチからだらりとはみ出している。
生きている人間とは思えない程、美しい。
生気を感じられない彫刻のような姿は、触れる事すら躊躇(ためら)われた。
「ほ、本当に人間だよな…!?」
一人呟き、ごくりと息を呑んだ後、俺は勇気を出して、ベンチに横たわるその男の体に触れた。
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