時を超えた男~雅臣side~

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 ようやく、男はハッとしたように、顔を上げた。  その顔は少し恥じらうかのように頬が色づいていて、男なのに、思わずドキッとしてしまった。  しかし、おかしな事に男は名乗るのを躊躇(ためら)うように、再びうつむき、沈黙してしまった。  何なんだろう?なんか特殊な事情があるのか?  頭の中にたくさんのはてなマークが、浮かんだちょうどその時、男の足下に何か落っこちてるのが見えた。  拾い上げると、それは男の免許証だった。
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