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「うわっ!」
私を揺さぶっていた奴が驚き、後ろに飛び退く。
「何故、私を執拗に揺り起こす!?無礼ではないか!」
私は語気を荒らげ、キッと男を睨み据える。男の顔を間近に見た私はハッとした。頭(とう)の中将!?
なぜ、頭の中将がここに!?彼なら昨日、私の馬で須磨(ここ)から発ったばかりなのに…。
「悪ィ。こんな真冬の公園で、真夜中にそんな薄着で寝てるからつい心配になっちまって。それにしても…」
呆気にとられている私をよそに、頭の中将は、私の顔を真っ直ぐに見つめ、言う。
「あんた、寝顔もスゲー整ってると思ったけど、こうして見ると、あり得ないくらい美形だな」
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