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公園と呼ばれるこの場所で、一人途方に暮れていると、いきなり声をかけられた。
「おっ!兄ちゃん、えらい綺麗な顔してるねぇ~」
千鳥足の、頭が半分禿げ上がった五十がらみの男だった。酔っているのが明らかなほど、顔を茹で蛸のように真っ赤にしながら、私を、値踏みするような、粘っこい視線で見つめてくる。
「こんなところでなにしてんの?もしかして、客待ってんの?幾ら~?幾ら払えばヤらせてくれるぅ?おじさん、こうみえて兄ちゃんみたいに綺麗な男に弱いんだよ~」
何なのだ!?この男!?私は悪寒が走るのを感じ、
「人を待ってるので…」
と、やんわり断り立ち去ろうとした。
「嘘でしょ。こんな時間に」
「!?」
男はいきなり私の腕を掴むと、酒臭い生暖かい息をハァハァ言わせながら、
「お金ならぁちゃんと払うからさぁ。一生のお願いだよ~」
と、呂律の回らない口で告げ、私の尻をスッと撫で上げた。
気持ち悪い!!こんな、屈辱的な扱いなど、生まれて一度も味わった事がない。
怒りが込み上げてきて、男を蹴り飛ばそうとしたその時だった。
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