14人が本棚に入れています
本棚に追加
雅臣の屋敷は、本当に公園のすぐ向かいにあった。
ああ、この時代では、"屋敷“じゃなくて、"家“と呼ばなければならないんだっけ…。
それにしても、なんて不思議な形状をしているんだろう?
敷地もたいして広くない場所に、縦に長い"家“が建っている。
私の二条の屋敷とは随分駆け離れているし、頭の中将の屋敷とも、また全く違っていた。
「さ、遠慮せずに上がれよ」
にこやかに言いながら、雅臣は、履き物を脱ぐ。俺は、雅臣の真似をして履き物を脱ぎ、揃えた。
最初のコメントを投稿しよう!