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「なんだと!?この、くそ兄貴」
「あぁッ!?やんのか、こら」
今にも掴み合いの喧嘩になりそうな兄弟を、"トーキョーの大宮“こと雅臣の母親がとめにかかる。
「お客様の前でやめなさいよ!みっともない!!」
それから苦笑を浮かべつつ、俺に告げる。
「ごめんなさいねぇ。二人ともできが悪くて。櫻井君はご兄弟は?」
俺は咄嗟に
「いえ。居ません…いや、上に腹違いの兄が一人…」
と答えた。実際の所、親王、内親王合わせて俺の兄弟姉妹は十人をゆうに越える。
だが、やはり一番気にかかるのは、一番上の兄宮…朱雀帝(すざくてい)の事だった。若気の至り…恋の過ちのせいで、傷付けてしまった兄。
俺が須磨に流れた後は、どうお過ごしだろうか?朧月夜の君と仲睦まじくお過ごしだろうか?
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