見知らぬ世界~藤原一家side~

2/10
前へ
/57ページ
次へ
 夜中にいきなり、友達を連れてくると告げて世話しなく出ていった馬鹿息子が、帰ってきた。  どうせ雅臣の事だ。今度、連れてくるのもまた、チャラチャラした変な輩(やから)に違いない、と思いながら 「雅臣、あんたね!…」  と、怒りつつ、玄関に向かい、私はびっくり仰天してしまった。  そこには、見た事もないような、貴公子然とした青年が立っていた。  まるで、少女漫画の世界から抜け出してきたような綺麗な顔に、抜群のスタイル。  私が若かったら絶対、一目で恋に堕ちてしまうだろう。  親馬鹿ながら、出来の悪い2人の息子も、唯一見てくれはいいと思っているけど、雅臣の友達だというその青年は、群を抜いていた。
/57ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加