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「こちらこそ、いつもうちの馬鹿息子が迷惑か けちゃってごめんなさいねぇ。それにしても、櫻井君は男前ねぇ。雅臣の友達にこんなに品の良いお坊っちゃんがいるなんて知らなかったわ」
言いながらつい、顔がにやけてしまうのが自分でも分かる。
でれでれしている母親の態度が気に食わなかったのか、雅臣はぶすっとした表情で言う。
「それより、親父は?顔も見せないとか失礼だろ」
「あら、気付かなかったわ。呼んでくるわね」
もうちょっと、この綺麗な青年を見ていたいと思ったけど、仕方ないかと、思いつつ、私はもうくたびれた、平凡な夫を呼びに、廊下を駆け出した。
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