時を超えた男

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 そして、私は辺りを見渡し愕然とした。  見たこともない光を放つ柱…。灰色の地面。そびえ立つあり得ない高さの箱形の建物の群。  ここは一体何処なんだ!?私は体が足下から冷たく震えるのを感じながら、ふと自らが身に付けている物を見、再び愕然とした。  明らかに異様だ…。一体、私の身に何が起こっているんだ!? 「なぁ、どうした!?寒いのか?」  わなわなと震える私に、頭の中将にそっくりな男は心配そうな眼差しで訊ねた。 「つかぬことを訊ねるが、今は何年の何月何日だ?」  私の問いに、男は苦笑して 「何寝ぼけた事言ってんだ。今は平成27年。2015年の1月×日だろ」  と答えた。平成!?そんな年号、耳にしたこともない。    
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